大人の方は、昔、小学校で色覚検査をしたのを覚えていますか?
今回の学会では、色覚について、専門の先生のお話を伺う機会がありました。
色覚異常の多くは治すことができません。ただ、先天性の場合、できるだけ早い段階で異常に気付き、どんな色を間違えやすいのか、傾向をしっておくことで、生活がしやすくなったり、また、進路(職業)を決める上でも、予測と対策ができます。というのも、色覚異常は、本人も家族も気付かないままでいることが意外と多いのです。
それでも以前は、小学校で必ず色覚検査をしていたので、そこで気付くことが多くありました。しかし、2003年に、小学校での色覚検査が任意化してからは、気付かないまま大人になってしまうケースも増えていて、就職しようとした時に、色覚異常の為、いきなり不採用になってしまったり(航空、鉄道、警察、色を扱う仕事等)、一般的な仕事でも、就職してから色感覚によるミスを繰り返して、初めて眼科を受診されるケースが増えているようです。その時点で気付くのでは、精神的なダメージも大きいので、やはり、できるだけ早い段階で気付くことが大切だと思います。
当院では、一般的な「石原式色覚検査」、そしてもう少し詳しい「パネルD15」という検査を取り入れています。スクリーニングであれば、4~5歳くらいからできることが多いので、お子さんの色の間違えや、お絵かき、ぬりえなどでの色の塗り方が気になる場合は、早めの受診をおすすめします。
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