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院長の日記

第66回 日本臨床眼科学会

2012年10月28日

 金曜午後、土曜と土屋眼科を休診させていただき、京都で開催された、学会に出席してきました。

 眼科の世界は日々、進歩しているので、日頃からできるだけ情報収集するよう、心がけてはいますが、年に1回出席するこの学会は、一気に自分の知識をアップデートする気持ちで望んでいます。

 今回も、本当にたくさんのことを学びましたが、特に印象に残ったのは、ドライアイと緑内障の分野です。

 ドライアイは新薬が出たこともあり、注目されています。最近、ためしてガッテンで放送されたこともあり(残念まがら私は観ていないのですが)、患者さんから質問されることもしばしばです。

 これまで、ドライアイといえば、ヒアルロン酸や人工涙液で水分を補いつつ炎症止めで炎症を抑えることが第一で、それでも改善しない場合では、涙点プラグという処置で、目に涙がたまるようにしていました。しかし、ドライアイの多くは、涙は出るけれど、すぐ蒸発してしまうことが原因です。元々、涙にはムチンという目にくっつこうとする層がありますが、そこを補うのが新しい治療法です。そのことにより、ドライアイの治療もより選択肢が増え、その方の状態にあわせた治療法が検討されるようになりました。
 「たかが、ドライアイ」と思うかもしれませんが、とてもとても奥が深く難しい分野です。

 もう一つ、緑内障ですが、日本人に多いのは「正常眼圧力緑内障」といって眼圧が高くないタイプの緑内障です。このタイプの場合、まず眼圧が高いタイプの緑内障と同じように、眼圧をさらに下げる治療を行いますが、眼圧を下げるだけでは視野傷害が進んでしまうケースがあります。緑内障の本体は眼圧が高いことではなく、視神経が傷害されることです。眼圧が高いことで視神経が押しつぶされるようになるという考え方が一般的ですが、元々眼圧が低い方の場合、眼圧だけが原因とも考えにくく、いかにして視神経を保護するかということが研究されています。まだ、研究の段階ですが、色々なサプリメントや食品が視神経保護に役立つのではないかと言われています。

 緑内障の患者さんは、いつも心の片隅に失明の不安を抱え、毎回どきどきしながら視野検査を受けられていると思います。この分野もなにか画期的な治療がみつかると本当にいいと思います。

 今回も多くの刺激を受けました。また明日から、頑張って診療していきたいと思います。

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土屋眼科の院長 土屋祐介が、つれづれに日記を書いております。
時には眼科医目線で、時には趣味人として不定期に更新していきますのでよろしくお願いいたします。