11月3日~6日京都で行われた、臨床眼科学会に参加してきました。今回も、白内障、緑内障、小児眼科、角膜、網膜等々、幅広い内容でしたが、特に印象深かったものとして、抗がん剤に関するものがありました。
抗がん剤の副作用として有名なものに、吐き気や脱毛がありますが、実は目に関係する副作用もあります。最近よく使用される、TS-1という抗がん剤がありますが、その副作用として、流涙があります。流涙と言っても、あまりピンとこないかもしれませんが、この場合、本来、涙を目から排出する役目を果たす、涙点、涙小管が閉塞してしまい、常に目から涙が流れる状態となってしまいます。早期にこの副作用に気づき、手術を行えば、改善できますが、発見が遅れれば、成功率はかなり落ちてしまい、元には戻りません。流涙自体は、軽いものであれば、よくある症状ですが、きちんと患者さんの全身状態等も把握しておかなければ、いけないと改めて思います。
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